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私の幸せな時間

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ヴァンパイア騎士 特別編 「命」&19巻 感想 その2

なんだかまだ、語りたくて…。


特別編のタイトルは、『命』。
その命について考えてみました。

最終巻と絡めていきます。


□頼ちゃんについて

そういえば頼ちゃんは、優姫と零の仲を応援していたよね。
枢さまには出会いからして胡散臭く思って警戒していたし、ナイトクラス、つまり吸血鬼の人たちをよく思わなかった。それは多分、人間としての恐れ、本能からきているとは思っているんだけど。
それに頼ちゃんにしたら、零と優姫が一緒にいるところを多く見ていると思う。
多分頼ちゃんから見ても、枢さまと一緒より、零と一緒の優姫の方がよく笑って怒ってケンカしていたんじゃないかな。
だから頼ちゃんにしたら優姫と零がまた一緒になれたらいいのにという願いがあったんだと思う。
優姫が枢さまと一緒のままならそこまでなかったんだろうと思うけど、枢さまは親金として眠りについてしまった。もういない。

作中、頼ちゃんと零の最後の会話が描かれていた。散々零にダメだししてたけど、それまで優姫には言ったことはあるのかな。20年、30年と経つ中で、枢さまの子供は大人になっているはず。そこまで一人で育て上げたんだから、そろそろ優姫も自分の幸せを考えて、零と過ごしてもいいんじゃないか的なこと。
それとも優姫の枢さまへの気持ちと言うか、誓いみたいなものかな。優姫も自分で言ってたけど、私は枢のものっていう意志。それをわかって、優姫には一緒になれとは言えなかったのか。まあ優姫も吸血鬼代表として協会と協力して忙しく、頼ちゃんと会う暇もなかったというのもありえるけど。

零のことを甲斐性なしとまで言ってたから、よけいに零にあなたもっとちゃんと捕まえなさいよって思っちゃうんだろうな。
頼ちゃんは最後まで、やっぱり優姫の親友で、零の旧友って感じだな~って思いました。





□枢さまと、優姫と、命

純血種として目覚めた優姫は、藍堂の言う通り本当に赤子同然のような存在。
そんな優姫は「大切な人を守る」と言って、更が起こした事件の真相を探ろうとしても、枢さまに軟禁という名で守られた。
約束を破って飛び出しても、失敗で終わった。

枢さまにも目覚めて間もない優姫はまだ何もできないとそれがわかっていて、しかも下手したら他の純血種たちの餌食になる危険さえある。
元老院に利用されることはなくなっても、力を求める純血種たちの存在があるため、かつて両親が地下に閉じ込めてひっそりと育てようとしたように、枢さまも家に軟禁するしかなかった。
まだ幼かったあの時、枢さまは地下でしか生きられない優姫を不憫に思い、もっと自由に生きられたら…と考えたと思う。

自分の手から離れ、人間として生きる優姫の笑顔は本当に眩しくて、その笑顔を守りたいと思った。
守りたかったのは、そんな心から笑える優姫の姿。

僕の愛し方じゃ… 君は心からは笑わないんだ…

私の中の零の記憶を奪えばよかった(完全に自分のものにすればよかった)のにと優姫は言ったけど、枢さまにとって優姫が零を忘れられないことが原因ではない。
人なら当たり前の、笑顔とお日様の光にあふれた世界に憧れた。
優姫を守るために両親がやったことと、枢さまがやっていることは何も変わらなくて、純血種に戻った優姫には、幸せに生きる未来が見えなかった。
守りたい笑顔が、自分のそばでは叶えられない…。
だから枢さまは決断した。

優姫は何もわからないままだったにもかかわらず、それでも枢さまを信じて、その気持ちは変わらなかったと思う。
でも本気の枢さまを追いかけることも、止めることも出来ずいつも逃げられた。
零と二人がかりで止めても止められなかった。

最終回で優姫も自分で言ったように、まだ純血種として幼い優姫は何もできないほど無力な存在だった。





枢さまにとって、優姫が自分から離れる覚悟で始めたことだった。
その前にも、もう自分には永遠にやってくることはないと苦悩していた。それはきっと、自分を必要としてくれる人、愛してくれる人だと私は思う。
諦めていたから、優姫を試した。兄ではなく始祖であること、零に対する仕打ち、邪魔になったから…といろいろ。

それに対して優姫は「貴方とここから始めたい」と言ったように、どんなときも最後まで枢さまを想ってくれた。世界には親金が必要であっても、枢さまの幸せを願ってくれた。
優姫がずっと、なによりも枢さまを想ってくれたことが、私は本当にうれしい。
枢さまが本当に欲しかったものって、自分を愛してくれる人だったんだと思うんだ。
優姫は枢さまにたくさんの温もりや安らぎ、誰かと一緒に生きる喜び、愛情、全部全部与えられたと思う。
どんなに拒絶しても、どこまでも自分を信じて追いかけてきた優姫。
こんなに誰かに必要とされ、愛してくれた人は優姫ただ一人だと思うから、そんな二人にキュンとなってしまうんだよね。


枢さまは優姫の幸せを守るために、そして自身の終焉を迎えるためにその命を優姫に捧げようとした。
優姫は枢さまを止めるために、その後は彼を永遠の命から解放するために、自分の命で彼を人間にしようとした。

純血種である枢さまと優姫には、相手の幸せを願うためには二人のうち、どちらかの犠牲が必要だった。
優姫も枢さまも、自分が終わらせる…と思っていたと思う。
終わる命。終わる関係。

最後は結局枢さまが優姫を守る形となり、優姫が残された。
枢さまのために命を使おうとしたけど叶わず、一緒に氷の棺に入ることも叶わず、生きる気力が持てない優姫の中に芽生えた小さな命。
ここはね、本当に正直なことを言うなら、優姫のその絶望が大きければ大きいほど、それだけ枢さまを愛してくれているんだって思えて、私にはうれしくてたまらないです。
二人とも死を覚悟していたのに、お腹に赤ちゃんがいる。
思えば、優姫が小さい時から枢さまと優姫はすれ違いの時間が多かった。離れていても、一緒になってからも、どちらかが悲しさや苦しさがあった二人だった。

僕は間違いを犯した
けれど 止められなかった…


間違いだなんて言わないでよ…

一緒に過ごした時間は間違いだったんだと、聞いてて本当に悲しくて泣きたくなる。
1年と少しという、枢さまと優姫にとっては一瞬にも等しい時間しか一緒に過ごせなかった二人。
赤ちゃんの存在は、二人の想いの一つの「証し」となる。(悠も同じようなこと言ってた。)
一緒に過ごしたあの時間は決して無駄じゃなかった。
二人の間には苦しんだ中でも、確かにお互いを想う心や絆があったんだ。
そんな色々な気持ちがいっぱい私の中にあふれてきて、ここの場面は胸が熱くなりました。



枢さまの命と優姫への想いは赤ちゃんとして残り、その赤ちゃんの存在が再び優姫に生きる希望をもたらした。
そして優姫は薬の発見、開発により、役目を果たした枢さまを人間として生き返らせた。そして枢さまは優姫が見た夢がもし未来の姿で、誰かとまた家族を作れたら。
繋がっていく命。
最後まですれ違ったままの二人だったけれど、その想いは同じだったと感じられる。
ちなみに枢さまが抱くあの赤ちゃん。優姫が生まれ変わったものだったらと考えちゃったけど、それはちょっとさすがにないかな…。すでに子孫だし。

あ~~~、やっぱり私にとって、枢さまと優姫の仲が一番なんだよね…。
優姫がずっと枢さまを想って、1番に考えてくれたことが本当うれしい。
すぐに零と一緒になったわけじゃなかったのには安心したくらい。
娘は零を父親と思って育たなかったことがもう…ね。だってそれはいくら何でも悲しすぎる。大人になるまで優姫が一人で育てたことには共感できる。氷の棺の中で眠る枢さまをちゃんと父親なんだと認識してほしかったから。そんな描写はまるでないけどね。

そしていつか枢さまを人間にするつもりの優姫をわかっていて、それでももう一度告白する零の強さ、優しさにも心を打たれた。
その日がたとえ自分が生きている間に来ても構わないんだ、ということよね。
優姫が枢さまのため(人間にする)に生きていて、子供もいて、多分イメージからしてこの頃の優姫はそれなりに一人でもしっかり玖蘭優姫の役目を務めている感じだよね。
それでも零は、優姫がどんな姿になっても自分にとってはおまえが必要だから一緒にいてほしいって言ってるんだよね。

枢さまは優姫が一人で孤独に生きていかないようにと願っていたけど、実際は優姫の周りにはたくさんの仲間や愛せる人たちに囲まれて生きていた。
そして枢さまにも、最後に過ごした時間の中で優姫と、慕ってくれる仲間たちと、彼もたくさんの人に愛されたと思う。


19巻の枢さまと優姫の表紙。
私にはやっぱり枢さまと優姫のお話だったな~。
最後に枢さまが抱いていた赤ちゃん。
できれば、優姫と枢さまの赤ちゃんであってほしかった。
でも優姫が夢を見たのって、産んでからすでに何十年も経ってるから違うよね?
悲恋はやっぱり切なくて苦しい…。


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-6 Comments

美咲 says..."質問、並びに感想"
読ませていただきました。


この漫画は、本当に奥が深い話ですよね。

質問よろしいでしょうか??

この特別編「命」のコミックス出るとか言っていませんでしたか??出る予定とはあるのでしょうか??とても読みたいのですが…(;▽;)
2013.11.28 07:44 | URL | #5CKHkhQU [edit]
樹里 says..."美咲さんへ"
特別編のコミックスですが、今のところはまだわかりません。特に何もお知らせはなかったと思います。
19巻で最終回まで収録されてしまっているので、特別編をコミッスクで出すには他のお話も必要だと思います。
なので私としては、描き下ろしでもいいし、今回のような形でもいいので1冊分が出来るまでヴァンパイア騎士のスピンオフのお話を描いてほしいと願っています。
せっかくの作品なので、このまま終わり…ってことにはならないんじゃないかと単純に思っているんだけど、どうなんでしょう。

2013.11.28 23:09 | URL | #- [edit]
ゆみ says...""
樹里さん、はじめまして。

最近ヴァンパイア騎士を知って、特別編まで一気読みし、ヴァンパイア騎士の世界観にすっかり魅了されました。
そして、樹里さんの優しくて深い考察になるほどーと思いながら楽しく拝見させていただいています^^
樹里さんの枢さまへの愛情がとっても伝わってきます!

優姫と枢さまとの関係は良いですよね。
家族愛であり、恋愛であり、同族愛でもあり・・。
それだけでなく、罪悪感、同情、執着と複雑に絡み合って、がんじがらめになって、切り離せないほど深く結びついていていて・・・
89夜の扉絵のように、2人の関係性は”絆”であり、”鎖”でもあるように思います。(そこが優姫が心から笑えない理由なのかな?)

いつもだったらこういう危うい関係に惹かれるのですが、ヴァンパイア騎士の場合は、零と優姫の押し殺そうとしても、純粋に惹かれあう様が、切ないけれど、綺麗だなぁと思って、一番好きな関係になっていました。
零の前で怒ったり、笑ったり、優姫のコロコロと変わる表情と、零がそれをみて仕方ないなぁって笑ってるのも可愛くて^^

なんとなく零優はロミオとジュリエット、枢優は美女と野獣なのかな?と思ってます。まぁ、どっちも好きですが☆

そして、ヴァンパイア騎士は”枢さまの物語”という樹里さんの言葉に共感です!
私も、一人のヴァンパイアの死と再生がテーマだっというに思いました。
なので、枢さまが人間として生きるラストに納得しました。
気が遠くなるほど永遠の時間を、いつも何かに囚われていた枢さま。
永遠という毒であったり、絶望だったり、孤独だったり・・・。
そして、優姫への愛と執着も、光でありながらも、囚われていたひとつだったと思います。
すべてを忘れて、陽があふれる世界に生まれ変わることで、はじめて”魂が解放された”のではないかな?と思っています。
この先、枢さまの生きる未来が愛情と光に満ちたものであるように祈っています。

初めましてなのに、長々とコメント失礼しました><
2013.12.06 09:06 | URL | #- [edit]
樹里 says..."ゆみさんへ"
たくさんの想いのこもったコメント、ありがとうございます。
一気に読むことで、ヴァンパイア騎士の世界観や想いに気付くこともあるのかもしれませんね。

二人の関係性は“絆”でもあり、“鎖”でもある。
これ、すっごく心に来ました!あの89夜のイラストは私もお気に入りの一つなのですが、優姫が生まれた時からの絆で結ばれてもあり、鎖となっていて離れられない関係でもある…(零も言ってたなぁ…)
絆と鎖は紙一重なんだな…って、ゆみさんのコメントを読みながら、優姫と枢さまの関係に改めて気付かされました。
こういう風に、他の方の感想を聞けるのが楽しみです^^

ヴァンパイア騎士って、『永遠を生きる吸血鬼』って見方によっては枢さまが主人公にもなる気がするので、何かのため、誰かのためにずっと生きてきた枢さまが、最後にたとえ優姫を忘れてしまっても、『陽があふれる世界に生まれ変わることで、はじめて”魂が解放された”』のなら、それも救いなんだなって納得できますね。

枢さまが優姫やすべてを忘れても、私たち(読者)が覚えてる。
どんなに優姫を想ってその幸せを願い、そのための犠牲も、私たちが覚えている。
生まれ変わることで魂が解放され、再生されたのなら、特別編で優姫が夢で見た光景が枢さまの未来の姿なんだと思えます。
いつも自己犠牲の上で誰かの幸せを願おうとした枢さまは、あの赤ちゃんが例えば枢さまの人としての子供なのだとしたら、同じ守るという形でも、家族を守るのは自分の幸せを守るためなのだと意識が変わると信じたいです。

ああ…、久々にヴァンパイア騎士や枢さまを想って、熱くなれました…!
あらためて、コメントありがとうございました!!
2013.12.06 23:57 | URL | #- [edit]
ささ says..."感想を読んで"
はじめまして
つい最近ヴァンパイア騎士の17〜19巻を読んだ者です。
私的には優姫、零、枢の3人が、同じ時間で幸せに暮らしている結末を望んでいたので当初は中々最終話が受け入れられずにいました。
ですが何回も読み直し、樹里さんの感想をよんで少しずつ受け入れられるようになってきました。

そこで是非樹里さんの見解を教えて頂きたい部分があります。

優姫は最終的に枢を自らの命で人間にしましたが、優姫が幼い頃そうだったように枢も記憶を失ったと思いますか?

(どちらにせよ、優姫も零もいなくなった世界で枢が生きるというのは寂しい気がしてならないのですが…。一条達は生きていると信じたい…。)

零はブラッティローズが欠けていることから殉死…と私は思っているのですがこのことについても是非見解を教えて頂きたいです。

私にはヴァンパイア騎士という物語はあまりにも切なすぎて、一人では解釈しきれません。

長々と失礼しました。
2014.08.12 00:05 | URL | #1B.6oK2Q [edit]
樹里 says..."さささんへ"
お返事が遅くなってごめんなさい…!

物語のクライマックス辺りを一気に読んだんですね!
私もあの90夜以降の話は、読んでいて到底受け入れられませんでした。だって、まるで私が望むような結末、すなわち優姫と枢さまが生きて幸せになるという結末に向かっていないんですもん…。(泣)

さて質問をいただきましたので、私なりのお答えです。

□枢の記憶について

結論から言うと、私は記憶がないのではないかと思っています。
術で吸血鬼を人間にしている以上、枢さまもそうじゃないのかなと。
あとは、優姫と枢さまが最後に過ごした数日間、優姫は枢さまが終わりたがってるんじゃないかと感じました。
『純血種』と決別して生まれ変わるのなら、やはり記憶がなくなっている方が生きやすいと思いますし。

ただその場合の疑問として、目覚めた枢さまに対して子供たち二人が優姫の伝言を伝えてたけど、覚えてない人のことを言われても伝わるのかってことですね。
記憶がないのなら何のことかわからなくてもいいのかもしれない。
ただ子供という立場として伝えておきたかった…というだけなのかもしれない。

一条たちや子供二人はすぐには人間にはならないかもしれませんね。
少なくとも枢さまの人間としての死を見届けるまでは生きているんじゃないかな~と思ってしまいます。
いろいろ考えられるけど、結局は私もわかりません…。


□零は殉死かどうかについて

これはですね、読んでいた当時は零の死からさらに何百年か経っていて、その間に劣化していった…と思っていました。
でも殉死なのではと言われてみると、「ああそこまで考えてなかった!そうかもしれない」なんて思いました。
考えてみれば最初のブラッディローズって始祖時代に枢さまが作って使っていたものなのよね。それが何千年も使われてきてるのに、零の死後たった数百年?(正確な時間はわかんないけど)であんなに壊れたりしないよね。
それともハンターの武器は定期的に親金の金属によってメンテナンスをしているから使い続けられるのであって、零の死後全く何もしてないから徐々に経年劣化したということなのか。
うーーん、これは今のところ私にもはっきりとはわかりません^^;

ただもし零が殉死なら、優姫が愛した男性二人って壮絶すぎる…。
というか、優姫の生き様の方が壮絶ってことになるのか。
愛する人との別れ方が悲しすぎるね…。

せめて零は人生を全うした、寿命を迎えたと思いたいです。
私の最初の感想はこれでした。
2014.08.15 01:03 | URL | #- [edit]

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